沈まぬ太陽


上映中と言うことでネタばれの形となります。
今日はクラブの友達と映画鑑賞へ。まぁ、今回は相手からの誘いだったので切符の手配や映画館の選択は全て任せて、日程や時間の方だけ提案してもらったため当日になるまで何の作品かは知らず。いつもコナンの時はこっちが主導権を握っていたから、相手からの誘いの今回は委ねることにしたけどまさかこんな盛況の映画だとは。普段はニ○ニ○動画ばかり見てるイメージの奴だったからこれに興味があることは意外だった。しかも原本の小説も読んだみたいだし。何か負けてるなぁ。(苦笑)まぁ、今週の月曜か木曜がいいってことで月曜はゼミがあるから今日にしてもらったけど念を入れて土日避けて良かった。


相手が神戸方面から学校までの定期を持ってるため映画館はこっちの考慮もしてもらったみたいで今回も梅田のTOHOシネマズに。13時10分に開映の分で終映は16時45分。途中に10分間の休憩時間が設けられてるようですが、いくらフルサイズの映画と言っても約3時間半はかなり長いな。
そう言えば映画はコナンぐらいしか見ないってこともあるけど、他にも観たのはジブリ系や、8月のシンフォニーもアニメ仕様だったことを考えるとアニメ以外の映画を観るのは久し振りと言うか、記憶にある限りでは初めてかも。まぁ、元々今まで映画を観ること自体が少なかったってことがあるけど。


12時に待ち合わせて昼食を済ませて映画館へ。従来は10分前ぐらいに各シアター内への入場開始なのですが、結構混んでたこともあって15分ぐらい前に既に入場開始。
いつものように注意事項の上映や、これからロードショーになる作品のコマーシャルなどがあって上映開始。まぁ、コナンとかの場合はアニメだし切り替わったらすぐ分かるけど、これはどのタイミングで始まるのかちょっと分かりにくかった^^;。


作品の内容は日航ジャンボ機の御巣鷹山墜落事故を題材にしたもの。御巣鷹事故は金田一少年の事件簿でも雪夜叉伝説殺人事件の一部として使われたこともあるなど題材にされることが多いけど、近年の国内での飛行機事故では最も被害が大きく、有名人の犠牲者もいたり大動脈の羽田-伊丹便だったこともあるんだろうな。この映画では民営でありながら政府出資会社の親方日の丸的体質を突いているものだけど、JRでもそうだけど国営が民営化された会社はいまだに国営体質が残っていて印象が良くないね。そして潰れない自信があるから事故を起こしても丸く収めることばかり考えてやがる。結局民間では不祥事起こした会社は潰れてるのに、政府出資の会社は潰れないしな。だから鉄道は好きでもJRという会社は大嫌いなんだよなw。


前置きはその辺にして内容は最初に事故の場面が。会社名は少し変えて国民航空でNALとのこと。
事故の場面の後、労働組合結集の時代の場面と事故の後の場面が行ったり来たりするような形で進んでいく。労働組合の場面は60年代に会社側の給与の低さや労働時間の苛酷な要求に対抗するために立ち上がった労働組合が話し合いを進め、合意を得られたなかったため当時はよく行われたストライキを実行することを決断する。しかも労組は政府がフライトする日を選んだのだ。そんな大事な日にストをされては困る経営陣はやむを得ず労組の要望に応えることになる。


しかし、ストが実行されず一見落着に見えたが、ここから会社側から労組メンバーへの苛めが始まる。労組リーダーをしていた主人公の恩智は上からの命令の形で海外勤務を命ぜられ、パキスタンのカラチ、テヘランケニアのナイロビなどまだ国民航空が就航していない途上国の辺鄙な国へ次々に飛ばされる。他の労組メンバーも仕事のない工場に行かされたり、客の目に目立つところで黙って座らされるなどの陰湿な嫌がらせをされる。
優秀な恩智は経営陣から詫び状を書いて我々に従えば国内に戻してあげると提案されるが、会社の体質に不満を持つ恩智は最後まで反対意志を貫き家族とまで決裂してしまうが、会社を止めることもできず、一向に国内に帰ることはできず命ぜられる通りに動かなければならないことになる。


労組の場面は前半で終わるが、後半の事故後の対応の場面でも多くの労組メンバーは自分がかわいくて経営陣の味方に寝返るが、日本に戻った後も恩智は最後まで国民航空の体質改善に全力を注いだ。会長には体質改善を目指し斬新な考え方の人物を起用するがこの人も最終的には経営陣の方の都合が悪くなると解任されてしまう。恩智は体質を変える努力を続け、会長の力を借りて問題点を洗い出して会議に持ち出したが、経営陣に圧力をかけられてしまい検討してもらえず、また遺族に誠心誠意対応したい恩智に対して丸く収めたい経営陣は余計なことをされては困るため再びナイロビへ飛ばす命令を下す。結局最後まで経営陣の考え方と会社の体質を変えることはできなかった。しかし、会社のために全力を注いできて多くの協力者を得た恩智にとってこの時のナイロビ行きには納得できるものがあり、そこで見た夕日は沈まぬ太陽に思えたのだった。


まぁ、主観的に簡潔にまとめるとこんな感じなのですがやはり長かった。でも凄く勉強になったな。労組にストか・・・。今の時代はストなんてやったらむしろクビになるから恐ろしくてできるようなものじゃないし、サービス残業にも我慢しなければならないから、この時代は労働者の主張ができていいなと思う気もするけど、経営側と労働者が真っ向から対立したり人事で苛めが行われるのはどうかなと思うし。
でもこの主人公の恩智と言う人の行動には僕はかなり尊敬するな。もし僕がこの立場だったらいくら会社を良くするためでも楽な方に流されてるわ。僕は家庭の方が大事だし、会社のために生活を犠牲にするなんて絶対できない。


8月のシンフォニーも決して楽しい映画ではなかったけど、アニメばかり観ていたのは非現実的な世界観なのに対して、実際の人間が演じるドラマ形式はフィクションでも現実味があるし今まで一つの現実逃避みたいな感じでリアル感から逃げていた部分もあるのかもしれないな。お金を払って余計気分が重たくなるなんて・・・みたいな感じで。でも、映画から学ぶものもあるから逃げてばかりではいけないし、楽しんだりストレス発散するためだけに観るのではなくて、時には脳みそを動かして自分に問いかけてみるのも大事だろうなと思った。
まぁ、今回はあまり自分で切符の手配をしたことがない友達にやってみてもらおうと思って委任したのもあるけど、これからはもっと誘ってもらいやすくなりたいな。