四国鉄道の旅1日目


先週の20日から21日かけて旅行に行ってまいりました。←北原さん風
まずは初日の20日の行程を。ライブ遠征やクラブの卒業旅行はあったものの家族旅行としては多分鞆の浦以来2年4ヶ月振りぐらいになるかと。当初は6月22日〜23日の日程で申し込んでみたのだが、梅雨時なこともあって人数が集まらず成立せず。結局、職業訓練の7月入校を見送ったため、夏休みだし今度こそは行けるだろうと思って今月の26日〜27日で聞いてみても没に・・・。7月でプランが終わりなのでもう無理だろうと諦めていたのだが、何とかこの20日〜21日のみ両日平日の日程で成立しておりその時点からでも申し込み可能なのを見つけることに成功。旅費は先に振り込んでもらってたので返金手続きに掛かる前にそちらに変更。まさに3度目の正直とはこのことであろう。先延ばしにしたからでもあるが、職業訓練が始まる前に旅に行けたのは良かった。


この旅行は鉄道を利用するため1泊のみで多くの場所に寄らないながらも23,000円とそれなりにお高い。何としてでも車窓からの風景を目に焼き付けて帰りたいところなのである。しかし、7時35分発の新幹線に乗るため7時丁度に新大阪で集合によりかなり久し振りの5時起き。しかもこの旅はJTBが企画している団体旅行なので遅刻は許されないのだ。それでも夏は外が明るいからまだいいんだけどな。
当然、前日に荷造りを済ませておいて身支度だけを起きてからして朝食は取らずに北急から御堂筋線で新大阪へ。集合時間より早めに着いて駅のコンビニでパンを仕入れ、新幹線車内でのおきゃあままでの1時間弱の間に朝食を取ることに。それが慌てず洗い物も残さずで効率的。


この旅は何と言っても鉄道で巡ることに目的を置いているため参加者は鉄道マニアの兄ちゃん達か、小さな子供連れのファミリーが多いだろうと勝手に予想していたのだが、他の参加者はほとんどがリタイアした熟年の夫婦や友人っぽい方々だった。まぁ、考えてもみると鉄道マニアはお高くて自由の利かない団体旅行ではなく単独行動を選ぶだろうし、小さな子の家族連れにとっては朝が早かったり移動距離がハードだから、こういうのに該当してくるのは経済的に余裕のあるリタイア世代になるってことか。
全員が揃い行程の説明が済むと新幹線ホームへ。新幹線に乗るのは昨年2月の北原さんのライブ以来か。山陽方面だと前回の家族旅行の時以来になる。往路とは途中新神戸と姫路に停まる"ひかり"でおきゃあまへ。8時半頃におきゃあま到着。ここからは当然在来線での旅になる。


乗り換えのタイミングでトイレ休憩を設けて、各自で発車時刻の8時51分までに予め割り当てられた座席を元に8番線に停車中のL特急"南風3号"に乗り込むことに。この時点から団体旅行にしてはこの添乗員は自由だなと思うように。のほほんとした方で縛りつけないって感じのところは良かったけどな。
そして8時51分発の"南風3号"アンパンマン列車でいざ四国の地へ。この列車は高知県出身のアンパンマンの作者にちなんでアンパンマンの塗装をしている通称アンパンマン列車で、我々が乗車した先頭の1号車は特別に車内の天井から座席にまでアンパンマンの絵が描かれていた。更には車内アナウンスでは「僕アンパンマン、今日はアンパンマン列車に乗ってくれて有難う」と前置きするのである。まぁ、鉄道は好きなんだけどアンパンマンはあまり興味ないから残念ながらあまり嬉しくはなかったんだけど^^;。


瀬戸大橋線を走行し、本州中の児島に停車してから僕にとっては約17,8年振りの瀬戸大橋の通過。全く記憶になかったのだが内海とは言え鉄道で海の上を通るのは爽快である。ただし竣工からそろそろ20年を経過した頃で安全性が少し気にはなるのだが。
瀬戸大橋を渡り切ると高松へと向かう快速"マリンライナー"が通る坂出方面への線路と分岐して四国内最初の停車駅は宇多津。更には丸亀・松山方面へ分岐する多度津善通寺・琴平と香川県内の駅に小まめに停車し、阿波池田大歩危と言った徳島県を一部区間で経由し、大杉から高知県へ突入。加えて土佐山田と後免に停車して11時29分に高知に到着するのだが、この土讃線の経路は山間部を貫いているような感じ。大雨の被害がなかったのは良かった。


高知に着くと次の15時44分発の乗車まで4時間の自由行動滞在時間に。一方、"南風"の車内で添乗員が呼び出しを食らっていたのだが、何と1組がおきゃあまで"南風3号"に乗り遅れたらしい。次の"南風5号"で追っかけて来るらしいが、いるんだよなぁ〜団体旅行で集団行動に馴染めないのが必ず1組w。このようにマイペースで周りの動きについていけないのと、旅館や食事の文句を添乗員に抗議して楽しい雰囲気を害するハイエナのどちらかに分かれる感じで。
10年ぐらい前のことだが、限定味のソフトクリームを売ってる道の駅でバスのトイレ休憩に入った時にいい年したおばちゃんがソフトクリーム買うのに必死で集合時間に帰って来ず、人数確認を怠って発車した後にそのおぼちゃんがバスが止まっていた地点をソフトクリーム片手に呆然と見て立っていた時には失礼ながら笑ってしまったけどな^^;。まさにそのおばちゃんの髪型もソフトクリーム型だったし、よっぽどソフトクリームに溺愛してはるんでしょうな。(爆)連れが気付いてバスガイドに呼びかけたから事無きを得たけどもうちょっとで置き去りにw。添乗員も小学生みたいのを相手にしないとならんから大変だなぁ。僕も集団行動は得意ではないけど迷惑がかかるから最低限のことは守るけどな。まぁ、でもこういう奇特な人に遭遇するのが団体旅行の醍醐味だったり(蹴)


そんなこともありつつ高知市内の観光に。しかし、その乗り遅れたのも滞在時間が減るだけで取り返せる場所で良かったな。この後に移動する1日に数往復しか走ってない区間だとどうすることもできなくなってしまうだろうし。
とりあえず高知市内の観光。荷物をコインロッカーに預けたら観光案内所に少し寄ってみたがあまり収穫はなかったのでまずは土佐電鉄路面電車高知城へ行くことに。500円の一日乗車券を購入。暑いから疲れたら車窓から街並みを観光するのもありだと考えたのである。
土佐電は現有の路面電車の中では最古とかとのことでいまだに非冷房の車両も健在。冷房化工事する経費が厳しいのだろうが、東北以北ならともかく温暖な四国で現在でも非冷房車両が現役で営業運転に就いてるのはちょっと意外。普通の人にとっては鉄道に乗る時に新型車両が来ようが旧型車両が来ようが変わりないんだろうけど、夏場に冷房車が来るか非冷房車かの当たり外れは大きいだろうな。昭和50年代頃に都市圏の鉄道の冷房化は完了してるから非冷房車のイメージがなかなかつきにくかったけどこれも一つの体験に。


土佐電は高知駅前起点に南北の桟橋線と、東西に長い直通の伊野線・ごめん線がはりまや橋電停でクロスしているだけのシンプルな路線図。たまたま乗ったのは桟橋線から伊野線に乗り入れる系統だったため乗り換えなしで一旦大橋通電停で下車。この近くにあるひろめ市場という商店街で昼食を取ってから城に移動することに。高知と言えば鰹のタタキが名物だが、鯛飯が食べたかったのでそっちを注文。商店街には小夏と言う新種?のみかんを初め多くの新鮮な野菜が並んでますた。高知と言うと鰹ぐらいしかイメージがないが、柚子・トマト・メロンなどの野菜や果物の産地でもあるようで。
食事後はいよいよ高知城へ。しかし天守閣の入口付近はかなり高台にあって登るのにかなりバテてしまった。中に入っても何処も同じだし入館料も掛かるので入口の前で休憩して下山。出店にはアイスクリンが売っていたのだが節約のためにパス。後で柚子もアイスクリンも高知の名物だと知って食べておけば良かったとちょっと後悔。


高知城の後はまた土佐電で坂本竜馬生誕の地などにも行ってみたが石碑が経っているだけで当然建物などは残ってないので見るまでもない。団体旅行で時間も決められているため後数ヶ所竜馬所縁の地を回った後は結局は路面電車で行ったり来たり。足を延ばすなら水族館などいくつか見所もあったようだけど、折角なら土佐電乗りたかったし時間の都合であまり離れたところにいくと不便なこともあって市内中心部の近場を回ったからあまり行きたい場所はなかった。でも高知は思ったほど観光地ではないかなとか。今はNHK大河ドラマで竜馬をやってるから猫も杓子もで話題になってるけどな。
15時過ぎに高知駅に戻って土産探し。高知名物にはお菓子類が少ないためあまり土産に適したものはなさそうだった。送ると余分に金かかるしな。←またそれかw


全員が揃ったらさっき乗ってきたのと同じ方向に向かう15時44分発のL特急"南風11号"で窪川への道程。今度は乗車区間が比較的短いので自由席に。しかし、何とこのL特急"南風"は3両編成で自由席部は最後尾全部と真ん中の車両の半分と言う少なさ。この団体旅行には39人が参加していたためかなりの大部分を占めてしまう迷惑っぷり。乗り換えのタイミングでもJTBの団体旅行の方はここでお降り下さいと異例のアナウンスするぐらいに。(ブ)
便によって異なるのだが、高知からの停車駅は旭・朝倉・伊野・佐川・須崎・土佐久礼と停まり窪川には16時49分に到着。"南風11号"はそのまま土佐くろしお鉄道線に乗り入れて中村へ向かうことに。その更に先の終点に当たる宿毛からは大分方面へのフェリーが出ているようで。
我々の団体はここで別名"しまんとグリーンライン"と呼ばれる予土線に乗り換えて宿泊地の宇和島に向かうことに。ここは1日で7往復のみ運行されるローカル線なのである。


ところが1日7往復、起点から終点まで約2時間かかるこの予土線の車両には皮肉にもトイレ設備が車内についていない。JR西日本では長距離運用に就く車両には各停用車両にもトイレ設備が備わっているのだが、JR四国ではついていないらしい。この他にもJR四国管内にはいまだ電化されていない区間が多く、特急・各停に関わらずディーゼル気動車が多数在籍している。このような側面からも新幹線が通っておらず大きな都市のないJR四国の経営が如何に厳しいかが分かる。その点では東海が一番おいしいわなw。まぁ、ディーゼル車両は発車する時のエンジン音が好きなのだが環境を考えるとなるべく電化の必要があるだろうな。近畿圏でディーゼル車両と言うと山陰線で鳥取方面に向かう"はまかぜ"と3セク智頭急行を経由する"スーパーはくと"くらいしか見かけないが。添乗員はJR九州は強気だとか、JR西とJR東海は仲が悪いなど色んな情報?も教えてくれますた。


窪川での接続時間は8分間。普通なら十分に余裕があるのだが、団体でローカル線なのでトイレも小さいため手間取り運転士に待ってもらう形に。本数が少ないので少しのことは目をつむってくれるらしいが、他の乗客にとっては迷惑極まりないな。16時57分発の列車は3分程遅れて窪川を出発し、四万十川沿いの荘厳な風景を車窓に眺めながら終点宇和島までの約2時間の道程。まさにその風景たるやジブリの世界をイメージできるものだった。宇和島には19時丁度に到着。駅からホテルまでは歩いて数分の距離。宇和島は地名としては名が通っているが、駅前はかなり閑散としていて田舎町と言ったところ。同じ愛媛県でも県庁所在地の松山とは100km程離れてるしなぁ。
ホテルにチェックインしたら到着時間が遅かったので荷物だけ置いて19時半から夕食。夕食でも鰹のタタキやタイ料理を初めとした郷土料理を美味しく頂きますた。たまにはこういう贅沢もいいもんだなぁ。食後は大浴場で入浴をしてこの日の行程は終了。翌日も7時に朝食なので遅くとも6時半には起きなければならないのもあって22時頃にさっさと床に就きますた。5時起きや疲れもあって良い眠りだった。


ちなみに写真の駅名板だが、JR四国では地下鉄と同じようにそれぞれの路線ごとにアルファベットと駅番号を記して区別しやすくなっている模様。またJR東海と同じように板の下部には各駅の県名と市名が表示されていてその駅が何処に位置しているかが分かりやすい。左上部のロゴのようなものは初めはサッカーのマスコットかと思ったが、四国での野球の独立リーグのロゴらしい。駅名板はJR西よりも進んだものが使われているみたい。
それにしてもこの日はとにかく存分に乗り潰した感があったな。むしろ大半が移動時間じゃないかってぐらいだし。旅の名前が車窓の旅だからそれでも文句はないはずだけどな。僕にとっては四国に行くことも四国のJRに乗ることも滅多になかったことも含めて乗ることを名目にする旅もいいなと思った。