ブタがいた教室


先週の金曜ロードショーでは"ブタがいた教室"と言う名の映画作品が放送されていたものを視聴。最初はガキんちょ達の学校生活を舞台にした物語でつまらなさそうに感じたのだが、実話が元になっている作品とのことで結末がどうなるのか気になって見ていると色々と考えさせられることも。
ストーリーは肉や魚を食べるのに命を頂いていることの有難さを感じてもらうために、ある小学校の6年2組の担任教師が卒業までの1年間をクラスで豚を飼育して卒業時に皆で食べることを提案し、その1年間の出来事や家畜としての位置付けからペットとして愛着を持つ心境の変化を綴ったもの。豚の名前はPちゃんと名付けられ、猫やウサギと同じように学校で残飯を貰いながら飼われることになる。


この作品の最も熱くなるところは卒業が近づいてきた時にその後のPちゃんの行く末をどうするかを議論するところ。当初は家畜を目的として飼育を始めたのだが、1年間に渡って世話をすると生徒たちに情が移り食べることに強く抵抗する生徒が多くなる。後に3年1組が引き取りに立候補するが3年生が飼育するには危険が大きい。そのため、食肉センターに送るか、3年1組に引き取ってもらうか、どちらがPちゃんのためになるのかをクラスで必死に考えて何度も議論する。そして卒業までに結論を出さなければならない。結局は食肉センターに送ることになるが、生徒たちにとって歯を食いしばっての苦渋の決断であった。一生懸命考え抜いて結論を出さないことの難しさが描かれた作品になっていると思う。


この作品の感想は、この生徒達は一生の思い出に残る貴重な経験をできただろうなと思う。まぁ、実話でであるが作品の演出を経験した子たちも良い体験になっただろうし。それと、こういう大胆なことを実行できる教師は周りが全員敵でも動じないぐらいの度胸がないと出来ないだろうから素晴らしいなと。主旨の食べ物の有難さの意味合いもあるが、それだけではなく非常に重い決断を期限までに下さなければならないことは人生の中で出てくるから、真剣に物事にぶつかって苦悩することは将来において価値があるんじゃないかなと。正解のない選択肢の決断。何となくで生きてきた僕にとっては真剣に考えたことあんまりないからなぁ。いくら教育と言っても教師がこんなユニークなことを行うのは起業するくらい難しい行動だろうし、なかなか実行できるもんじゃないからなぁ。これも20年近く前の話だからまだできたようなもんで、モンスターペアレントやらの今の時代では教師も萎縮してできないだろうなぁ。でもストーリーとしては色々と考えさせられる内容だったと思う。