五能線の旅


この前、地上波のテレビでJR五能線での旅を起点駅から終点駅まで密着的に放送する番組が放映されていたのを見ることができた。五能線秋田県東能代から青森県の川部にかけて海沿いを走る路線で、川部からは奥羽本線を北上して青森か、南下する形で弘前まで運行してるようで。この線内では運転日限定で快速リゾートしらかみと言う名の行楽用車両が運行しているようで、その中にも青池編成・ブナ編成・くまげら編成の3編成を保有しているとのこと。まぁ、新車じゃなくて改造したっぽいけど正面だけはなかなかかっちょいい。それがある意味くせ者ではあるが。(笑)


まぁ、さすがにここまで各停を乗り継いで青春18切符で来ることは物理的に不可能なためあまり関係はないが、リゾートしらかみは種別は快速でも指定席制となっているため乗車不可の可能性が高そう。ライナー系のようにグリーン車等を併結してるのでも整理券のみの追加で乗車券は有効なパターンもあるようだけど果たしてこれはどうなのか。もしこれが特急系と同じ扱いだったとしたら、リゾートしらかみを除くと青春18切符を使用する場合は一部区間は9時代の次が17時代ってところもあってさすがにえぐすぎ・・・。1,2時間に1本とかのレベルじゃないからなぁ。


で、今回一番興味を持ったのは蜃気楼ダイヤなるものが存在していること。東能代方面から来たリゾートしらかみは一旦ウェスパ椿山駅に到着後にスイッチバックして十二湖だったかなまで戻って再びスイッチバックして川部方面へ向かうことになるようで、一部区間を逆走するのは時刻表にも記載されていないまさに蜃気楼ダイヤだとのこと。目的は途中下車したお客さんが再度乗車できるようにとのサービスで、他の駅では発車3分前に汽笛で知らせてくれるところもあるようでその辺はさすがローカル線。
でも蜃気楼ダイヤと言うとあの近鉄奈良線の旧生駒山トンネルに絡んでの幽霊騒動が頭に浮かんでくる。アレは終戦直後の昭和21年の話とは言っても本当にそんなことが起こりうるのかなと半信半疑だったりするが。


そして、もう一つのピックアップとしては五能線五所川原から出ている津軽鉄道線。こっちは私鉄らしいが、雰囲気的に三セクかな。従来からの私鉄っぽい感じもするが。
津軽鉄道区間も短いためそんなに注目点はなかったけど、興味深かったのは21世紀になった今もまだタブレット閉塞式を採用してる点。廃線になった野上電鉄も破綻までタブレット閉塞式を用いていて平成になってから使っているだけでも結構驚きだったのにまさかまだ残ってたとは。まぁ、でも車両は零細にしてはそれなりに綺麗だし、単に資金がないだけじゃなくて安全性の面で使い続けているのかも。今や自動閉塞式が当たり前だけど、物理的方法のタブレットならそのものを紛失さえしなければ絶対に衝突することはないはずだし。帳票とか色々な方法はあるけど、やっぱタブレットはいいような気がするな。自動閉塞も性能も上がって故障することはそうないだろうけど信楽高原鉄道の時みたいに操作してしまったら訳分からんくなりそうだし。


最後にはまた五能線へ。林檎畑の中を駆け抜けて行くシーンとかもあったけど、一番いいなと思うのは絶壁の高さからの海の眺望が見れる地点。何か自然な風景、特に山の緑や海の青を見ると心が洗われるような感覚になる。快晴の空もそうだけど空気が澄んでいて眺めがいいところからそういうのを見た時に生きてるって実感するんだよな。でも僕にはそんな時間と余裕がないからこんな遠くまで青春18切符では来れないし、結局は東海道線山陽線みたいな便利のいい場所でそれなりの距離のところまでしか行けない宿命か。まぁ、それでも行けるだけ有難いと思わねばならんところだけどな。